孤独な歌を聴きながら、素面で夜更けを待っていた。睡眠剤が効いてくるのは待つけれど、朝など待ってはいない。明日なんて、また同じ苦悩の繰り返しでしかないと思っている。平凡な日常を失って久しい自分に、明日は変化があるなどという期待は抱けない。
バイトの申し込みをすれば、無駄な時間を有意義に使えるというほんの少しの安心感と、仕事を上手くこなせるのか、体調が悪くなって苦痛を我慢しなければならないのではないか、といった少しではない不安を抱える。しかし、バイトの申し込みをしなければ、無駄な一日に罪悪感と劣等感を抱え込む。必要な物の支払いの予定、楽しみのための出費が、大きな心配になる。実に馬鹿馬鹿しい生き様だ。
もうすぐ朝が来る。時間だけの朝、他の正常な人々にとっての朝だ。今夜の俺に3種の眠剤は効かなかった。
俺に夜明けなんか来ない。一生来ないかもしれないという気さえする。
日々の暮らしをリタイアしたい。腹が空くのが馬鹿馬鹿しい。胃袋を引きちぎってしまえたらいいのに。痛む頭はいっそのことかち割って、苦しい首はへし折ってしまえたら、全てから解放されるのに…。
また死にたがっている自分を持て余している。明日も明後日も、来週も来月も、既に予定を入れてあるのだから、死ぬわけにいかないけれど。
この孤独な魂に救いはあるか?
この凍てついた心に届く僅かな雫や温もりは俺に生きる力を与えてくれるか?
現状では全く足りない気がしているのだが、命を捨てるわけにはいかないと理性が告げるので、誰でもなく自分が我慢して引き留めている。
年功序列で死ぬということが、俺自身と俺の周囲では、ものすごく難しい問題に思えて仕方がない。